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人事代行・給与計算アウトソーシングおすすめランキング10選|任せられる業務と費用、選び方
公開日 2024年12月9日 最終更新 2026年10月9日 監修 内藤 貴皓(RECRUIT BOOSTER株式会社 代表取締役・『採用大全』著者)
人事の仕事を外部に任せたいと考えたとき、最初に迷うのは「どの業務を、どこに頼めばよいか」です。給与計算と社会保険の手続きを頼む会社と、採用を頼む会社は別のことが多く、資格がないと引き受けられない業務もあります。
この記事では、人事代行で任せられる業務の範囲と、各社の公式サイトで確かめた料金と特徴、選ぶときに確かめておきたい点をまとめました。
人事代行(人事アウトソーシング)とは
人事代行は、給与計算や社会保険の手続き、採用、研修といった人事の業務を、外部の会社に任せるサービスです。人事の担当者がいない会社や、担当者が1人で総務や経理も兼ねている会社がよく使っています。
業務の一部だけを頼むこともでき、多くの会社は「給与計算と社会保険の手続きだけ」「採用だけ」のように範囲を決めて契約します。
任せられる業務は大きく3つ
1. 給与計算と社会保険の手続き(労務)
勤怠の集計、給与と賞与の計算、年末調整に加えて、入社や退職のときの健康保険・厚生年金・雇用保険の手続きもこの業務に含まれ、毎月決まった日に締めがあるうえ、ミスが従業員の手取りに直接出るため、外部に任せる会社が最も多い業務です。
健康保険や厚生年金、雇用保険の書類を作って役所に出す代行は、社会保険労務士法で社会保険労務士(社労士)にしかできないと決められています。給与計算そのものは資格がなくても引き受けられるため、手続きまで頼むなら、委託先に社労士が在籍しているか、社労士事務所と組んでいるかを確かめてください。
2. 採用
求人票の作成、求人媒体やスカウトの運用、応募者への連絡と面接の日程調整、選考の数字の集計などを任せられます。人事代行の会社がまとめて引き受ける場合と、採用代行(RPO)の専門会社に頼む場合があります。
採用代行の会社の比較は「採用代行おすすめ24選」に、費用の相場は「採用代行の費用」に分けてまとめました。
3. 研修と人事制度
新入社員研修や管理職研修の企画と実施、評価制度や等級制度の設計を任せられます。制度の設計は一度きりの依頼になることが多く、月額の代行とは別に、プロジェクト単位で見積もる会社が一般的です。
外に任せる業務と、社内に残す業務
監修者の内藤は、ベンチャーやスタートアップを中心に30社以上の採用を支援してきました。人事の業務を外に出すときは、手順の決まった作業と、会社として決めることを分けて考えるのが大切だと考えています。
給与の計算や手続きの書類づくり、面接の日程調整、スカウト文の送付は、手順が決まっているので外に任せても質が落ちにくい作業です。一方で、誰を採用するかの判断、求人の条件と給与の決定、就業規則や評価の基準を変える判断は、外の会社が代わりに決めることはできません。
内藤の著書『採用大全』でも、社員80名ほどのIT企業で、採用・労務・総務・経理の補助を1人が兼ねていた例を紹介しています。この会社では、エンジニアの採用が進まないまま新しい案件を断り続け、1年でWebエンジニアが3名辞めました。
手続きや集計を外に出して、担当者の時間を採用の判断や面接に使えるようにすることが、人事代行を使う一番の理由になります。
おすすめの人事代行10社
各社の公式サイトに書かれている内容をもとに、2026年10月時点の情報でまとめました。料金は変わることがあるので、契約の前に各社の最新の情報を確かめてください。
会社名 | 主に任せられる業務 | 対象の企業規模 | 料金 |
|---|---|---|---|
パーソルテンプスタッフ | 給与計算、年末調整、勤怠管理、採用の事務、研修 | 公式に記載なし | 問い合わせ |
パソナ | 給与・賞与の計算、社会保険の手続き、勤怠管理 | 中小企業から大企業まで(10,000名規模まで対応) | 問い合わせ |
芙蓉アウトソーシング&コンサルティング | 給与・賞与の計算、年末調整、住民税、マイナンバー | 原則300名以上(未満も相談可) | 問い合わせ |
Remoba労務 | 入社・退職の手続き、給与計算、勤怠の集計 | 公式に記載なし | 月30時間で月額18万円(年間プラン) |
伊藤忠人事総務サービス | 給与・賞与の計算、社会保険・労働保険、年末調整 | 公式に記載なし | 問い合わせ |
COMIT HR | 勤怠・給与システムの導入、給与計算、年末調整 | 料金の試算は200〜5,000名未満が対象 | 問い合わせ |
キヤノンマーケティングジャパン | 入退社の手続き、勤怠の締め、給与・賞与、年末調整 | 800名以上 | 問い合わせ |
freee | 給与・賞与の計算、入退社の手続き、年末調整 | 公式に記載なし | 問い合わせ |
ペイロール | 給与計算、年末調整の補助、Web給与明細 | 大企業向け | 問い合わせ |
エコミック | 給与計算、年末調整、住民税、マイナンバー | 公式に記載なし(毎月550社が利用) | 問い合わせ |
1. パーソルテンプスタッフ株式会社
パーソルテンプスタッフ株式会社は人材派遣の会社で、人事・労務の仕事をまとめて引き受けるアウトソーシングも提供しています。依頼できる業務は給与計算や年末調整、勤怠管理、採用の事務、教育研修、労務管理などで、社会保険の手続きは提携先の社会保険労務士法人が行います。業務の調査と体制の提案から始まり、運用を始めたあとも改善の提案が続く進め方です。料金は問い合わせて見積もる形です。
2. 株式会社パソナ
株式会社パソナは、給与・賞与の計算、社会保険の手続き、勤怠管理などの人事・労務の仕事をまとめて代行しています。公式サイトでは、メーカーや金融などの大企業から中小企業まで1,000件を超える受託実績があり、10,000名規模の給与・賞与計算にも対応していると書かれています。会社がすでに使っているCOMPANYや奉行クラウドなどの人事・給与システムで運用するほか、システムの入れ替えにも応じるのが特徴です。料金は導入時の初期費用と運用の人件費をもとに決まるため、問い合わせて見積もる形です。
3. 芙蓉アウトソーシング&コンサルティング株式会社(旧:NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社)
芙蓉アウトソーシング&コンサルティング株式会社は芙蓉総合リースのグループ会社で、2024年4月にNOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社から社名を変えました。給与・賞与の計算、年末調整、住民税の更新、マイナンバーの管理を代行し、社会保険と労働保険の手続きはNOC社会保険労務士法人か提携先の社会保険労務士事務所が行います。給与計算の代行は原則として従業員300名以上の会社が対象ですが、300名未満の会社からの相談も受けています。料金は問い合わせて見積もる形です。
4. Remoba労務(株式会社Enigol)
株式会社Enigolの「Remoba労務」は、クラウドサービスに詳しいオンラインのスタッフがチームを組んで労務の仕事を代行するサービスです。入社・退職の手続き、給与・賞与の計算、勤怠データの集計に加え、顧問の社会保険労務士とのやり取りや従業員からの書類の回収など、社会保険労務士が行わずに社内に残る作業も引き受けます。作業には人事労務freeeやSmartHR、KING OF TIMEなど、会社が使っているクラウドサービスを使います。料金は12ヶ月契約の年間プランが月30時間で月額180,000円、6ヶ月プランが月30時間で月額200,000円です。
5. 伊藤忠人事総務サービス株式会社
伊藤忠人事総務サービス株式会社は、伊藤忠グループの人事総務の中核会社として、人事・給与の業務の代行や人事・労務のコンサルティングを行っています。代行の範囲は給与・賞与の計算、労働保険・社会保険に関する業務、年末調整、住民税の更新、通勤費の管理などで、勤怠管理システムや給与明細の電子化はオプションです。要件を決めてから運用を始めるまでには、会社の規模や人事制度によって2〜6ヶ月ほどかかります。料金は問い合わせて見積もる形です。
6. COMIT HR(株式会社InfoDeliver)
株式会社InfoDeliverの「COMIT HR」は、クラウドの勤怠・給与システムの導入から、毎月の給与計算や年末調整までを代行するサービスです。人事のコンサルタントが会社ごとの規程と勤怠のルールを読み解いてシステムを設定し、導入後は専任の担当者が日々の勤怠管理から毎月の給与計算、年末調整までを受け持ちます。海外赴任や夜勤、3交代制などの勤務形態や、複数の人事制度があるグループ会社にも対応しています。公式サイトでは従業員200名以上5,000名未満の会社向けに料金のシミュレーションを用意しており、それ以外の人数は問い合わせて見積もる形です。
7. キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンマーケティングジャパン株式会社は従業員800名以上の会社を対象に人事労務のアウトソーシングを提供しており、窓口は同社、実際の運用はグループ会社の株式会社キュービーファイブが受け持ちます。代行する範囲は入退社や身上変更の手続き、勤怠の締め、給与計算、賞与計算、年末調整、住民税の更新、社員からの問い合わせ窓口までです。公式サイトでは人事労務業務のアウトソーシングを15年以上提供していると書かれており、料金は問い合わせて見積もる形です。
8. freee株式会社
freee株式会社は、クラウドソフト「freee人事労務」の提供に加えて、給与計算などの作業を代行する「freee人事労務アウトソース」を提供しています。代行する範囲は、月次の給与計算と賞与計算、入退社と身上変更の手続き、年末調整、従業員からの問い合わせ対応、マイナンバーの管理です。社会保険の手続きは顧問の社会保険労務士と連携して進め、顧問がいない会社にはfreeeが社会保険労務士を紹介します。料金は問い合わせて見積もる形です。
9. 株式会社ペイロール
株式会社ペイロールは給与計算業務のアウトソーシングを事業にしている会社で、大企業向けに給与計算や年末調整の補助、勤怠システム、Web給与明細を提供しています。従業員からの問い合わせや変更申請にも、同社の専門スタッフが直接答えます。公式サイトのページ名には「279社導入・123万人超の受託実績」と書かれており、料金は問い合わせて見積もる形です。
10. 株式会社エコミック
株式会社エコミックは、給与計算の代行を専業として約30年続けている東証上場の会社です。給与計算に加えて年末調整、住民税の更新、マイナンバーの管理も代行し、毎月のデータのやり取りには自社で開発したWeb掲示板システム「セキュエイション」を使います。このシステムで、会社と社会保険労務士とエコミックの3者が情報を共有します。公式サイトでは毎月550社・14万人が利用していると書かれており、料金は問い合わせて見積もる形です。
人事代行を使うメリット
担当者を1人採用するより費用を抑えやすい
人事の担当者を正社員で1人採用すると、給与に加えて社会保険料や採用費がかかります。給与計算や手続きのように毎月決まった量の作業なら、月額の代行のほうが費用を抑えやすくなります。
法改正への対応を任せられる
社会保険料率や雇用保険料率、最低賃金は毎年のように変わりますが、社労士が在籍する委託先なら改正にあわせた計算の変更や手続きも任せられるので、社内で改正を追いかける必要はありません。
担当者が辞めても業務が止まらない
人事の担当者が1人だけの会社では、担当者が休んだり辞めたりすると、その月の給与計算が止まってしまいます。外部に任せていれば、社内の担当者が代わっても締め日に遅れる心配はありません。
人事代行を使うデメリット
業務を追加するたびに料金が上がる
従業員が増えたときや、年末調整・賞与計算を追加したときに、別料金がかかる会社が少なくありません。契約の前に、従業員数ごとの料金と、追加の作業の料金を一覧でもらっておくと、あとで驚かずに済みます。
社内に業務の手順が残らない
全てを外に任せると、給与計算や手続きのやり方を社内の誰も知らない状態になるので、将来、社内で人事を持つつもりがあるなら、毎月の作業の手順書を委託先からもらっておくと、引き継ぐときに困りません。
自社の事情を伝える手間がかかる
手当の決まりや社内の慣習は、会社ごとに違います。委託先が分からないまま作業すると計算の誤りにつながるので、最初の1〜2ヶ月は、締めのたびに結果を社内で確かめる時間を取ってください。
人事代行の費用
人事代行の料金は、任せる業務の範囲と従業員の数で決まり、公式サイトに料金を載せている会社の例は上の会社紹介に書きました。料金を載せていない会社も多いので、その場合は従業員数と頼みたい業務を伝えて見積もりをもらってください。
見積もりを比べるときは、月額の料金だけでなく、初期費用、年末調整や賞与計算の追加料金、契約の最短期間もあわせて並べると、実際に1年間で払う金額が分かります。
採用を任せる場合の費用は、月額制か成功報酬制かで大きく変わります。詳しくは「採用代行の費用」をご覧ください。
人事代行の選び方
1. 任せたい業務を先に書き出す
給与計算だけなのか、社会保険の手続きまでなのか、採用も頼みたいのかで、候補になる会社が変わります。今の担当者が毎月どの作業に何時間使っているかを書き出すと、外に出す業務と残す業務を決めやすくなります。
2. 社会保険の手続きを頼むなら社労士が在籍しているかを確かめる
前に書いたとおり、社会保険の手続きの代行は社労士にしかできません。公式サイトや提案書に、社労士の在籍や提携している事務所の名前が書かれているかを確かめてください。
3. 個人情報の扱い方を確かめる
給与や家族構成、マイナンバーなど、従業員の個人情報を外に渡すことになります。プライバシーマークやISO27001の取得の有無と、データをどの方法で受け渡すかを契約の前に聞いておくと安心です。
4. 契約期間と解約の条件を確かめる
最短の契約期間や、解約の何ヶ月前に伝える必要があるかは会社によって違います。初めて使う場合は、短い期間から始められる会社を選ぶと、合わなかったときに切り替えやすくなります。
よくある質問
人事代行を使うのは違法ではありませんか?
業務の委託として契約すれば違法ではありません。ただし、社会保険の手続きの代行は社労士にしかできないため、資格のない会社に手続きまで頼むと、社会保険労務士法に違反するおそれがあります。
従業員が10名ほどの会社でも使えますか?
使えますが、この記事で紹介した会社にも、COMIT HRの200名以上やキヤノンマーケティングジャパンの800名以上のように、対象の従業員数を決めている会社があります。10名ほどの会社なら、Remoba労務のように働く時間で料金が決まるサービスや、顧問の社労士に給与計算もあわせて頼む方法を比べてみてください。
採用だけを任せることはできますか?
できます。採用だけを任せる場合は、採用代行の専門会社に頼むと、求人媒体やスカウトの運用まで引き受けてもらえます。
まとめ
人事代行を選ぶときは、任せたい業務を先に決め、社会保険の手続きまで頼むなら社労士が在籍している会社を選ぶことが大切です。給与計算や手続きは外に出し、採用の判断や制度を変える判断は社内に残すと、担当者の時間を会社として決めるべきことに使えます。
採用の進め方や、どの業務を外に出すかで迷っている場合は、RECRUIT BOOSTERの無料相談でもご相談を受けています。

この記事の監修者
内藤 貴皓
RECRUIT BOOSTER株式会社 代表取締役。出版社の人事、株式会社FiNC Technologiesの人事戦略部(エンジニア・デザイナーの中途採用、評価制度の設計)を経て、2021年に独立。ベンチャー・スタートアップを中心に30社以上の採用を支援。著書『採用大全』(総合法令出版)。
